◎ 人体の生理機能を説明する
陰陽学説では、陰陽の対立と制約による協調関係をもつことにより、人体の正常な生命活動が行われると考えています。例えば、陽に属する機能(気)と陰の属する物質(血)との関係は、血がなければ気を生じることはできない、気がなければ血を生じることができません。陰と陽がこのような相互関係をたもてなくなって分離すると、生理活動も停止してしまいます。
◎ 人体の病理変化を説明する
陰陽学説では,疾病は陰陽の相対的バランスが失調し、そのために偏盛あるいは偏衰がおこり、その結果として発生するものであると考えます。
病の発生は邪気と正気に関連します。
正気:人体の機能活動と病に対する抵抗力です。(正気は陰精と陽気がある)
邪気:病の原因となる要素です。(邪気には陰邪と陽邪の区別がある)
◎ 疾病の診断への応用
中医学の望診、聞診、問診、切診4つの診断法を行う上で、先ず陰陽を区別することが説かれている。
診 法
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陽 証
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陰 証
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望 診
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顔の色つや鮮やか
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顔の色つや暗い
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聞 診
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話声は高く、口数が多い
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話声が低い、口数が少ない
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問 診
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熱はあるが寒がらない
冷たい物を飲みたがる
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寒がるが熱はない
口渇いて飲みたくない
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次回は、五行学説を紹介します