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・・・氣・・・

    

中国古代哲学の根幹をなすのは”氣の思想“であり、氣は中医学においても
重要なキーワードとして用いられています。氣は生命活動において重要な
作用を担っており、人体の成長・発育・老化・死亡や疾病の発生にはいずれも
氣の盛衰と運動の変化が関係します。

1.氣の基本概念

中医学では、氣は世界を構成している最も基本的な物質です。
すなわち宇宙空間にあるすべての実物は、氣が運動変化してできたものです。

氣は、人体の生命活動を維持するのに最も基本的な物質であると言えます。

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2.氣の種類とその生成過程

人体における氣は、分布部位の違いとその来源や機能の違いにより、元氣・宗氣・営氣・衛氣などの
名称がつけられています。

◎ 元氣:元氣は、「原氣」、「真氣」ともいわれています。これは最も基本的な氣をさします。
       元氣は主として先天の精が化生したものでありますが、出生後は水穀の精微に
       よって続き的に滋養、補充されます。元氣は生命活動の原動力であり元氣が
       充足すればするほど、臓腑・組織の働きは活発になり、病を受けつけにくくなります。

◎ 宗氣:宗氣は肺に吸入される清氣と、脾胃の運化作用によって生成される水穀の氣とか
       結合することによって生産されるもので胸に集められます。宗氣には肺の呼吸作用
       と心血の運行を推動する機能があり、さらに視る・聴く・言う・動くといった各種の身
       体機能とも関係があります。
       宗氣が不足すると、呼吸が浅く短くなり、同時に声も低くなります。

◎ 営氣:営氣は主に脾胃で作られる水穀の精微から化生したものであり、水穀の中でも比較
       的豊かな栄養分を持った物質です。営氣は血脈中に分布しており、血液の一部と
       して循環することによって、全身に栄養を供給しています。

◎ 衛氣:衛氣は主に水穀の氣から化生したもので、活動性が高く、動きが速いという性質があり、
       衛気は脈管に拘束されず、経脈外をめぐっており、外は皮膚、筋肉から内は胸腹部
       内の臓腑に至るまで全身にくまなく分布しています。衛気には、肌表を保護して外邪
       の侵入に抵抗し、汗腺を開閉することにより体温調節を図る、臓腑を温煦する、皮毛
       を潤いにするなどの機能があります。

氣は人体のさまざまな部位に分布しており、その生成の由来を総括すると腎中の精氣、水穀の氣、及び
自然界から吸入する清氣の3つにまとめることができます。

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3.氣の作用

氣は人体に対して極めて重要な作用をおよぼしており、さまざまな部位に分布しています。また氣は、
その種類によってそれぞれ独自の働きをもっていますが、それらの主な作用を概括すると、次の5つに
まとめることができます。

◎ 推動作用:人体の生長・発育・各臓腑・経絡の生理活動、血の循行、津液の輸布は、
         すべて気によって推動されています。氣虚となり推動作用が減退すると、生長
         ・発育の遅れ、臓腑・経脈の機能減退、血行の停滞、水液の停留など各種
         の病変が現れます。

◎ 温煦作用:人体が正常な体温を維持することができるのは、氣の温煦作用の調節を受け
         て意るからです。氣の温煦作用が減退すると、寒がり、四肢の冷えなどが現れ
         ます。

 

◎ 防衛作用:氣には肌表を保護し、外邪の侵入を防ぐ作用があります。また外邪がすでに人
         体に侵入してしまった場合、氣はこの病邪と闘って外へ追い出し、健康を回復さ
         せるように働きます。

◎ 固摂作用:氣の固摂作用とは、体液が漏出するのを防ぐ作用で、血液が脈管の外に溢れな
         いよう制御するはたらき、汗や尿の排出をコントロールします。

◎ 氣化作用:氣化という言葉には2つの意味があります。1つは精・氣・津・血の間の化生を指し、
         もう一つは臓腑のもつある種の機能を指します。例えば膀胱の働きである発尿作用
         は「膀胱の氣化」と呼ばれています。


次回は『氣・血・津液』のうちの 血 をご紹介します。

Profile

上海中医薬大学附属 日本関西校 客員講師
医学博士  曹 華美 (==@)

中国大連市出身。
遼寧中医薬大学卒業後、大連市中心病院中医科で
15年以上勤務した後、訪問研究員として日本札幌医科大学へ。
長年の医療活動と東洋医学教育領域での経験を活かし、
現在中医学講師として活躍中。

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