■■ このコーナーでは ■■住まいに必要な知識 ■■を分かりやすく説明 ■■しながら、理想の ■■『癒しの住まい』づくりを ■■アドバイスしていきます。

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≪ 『家族構成』
家族みんなで癒されよう!≫
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●● 将来のこと ●●
皆さんが住まいを考えるとき、建物や設備機器などの『ハード』のほかに、 そこに住む人という『ソフト』を考えないといけませんね。
これが意外と難しく、『子供が一人増えた!』『二人増えた!』など
将来、家族構成がどのように変わるか分かりませんものね。
また、将来ご両親との同居などを考えていると、『もー何が何だか』ですよね。
そんなわけで今回は今後の家族構成でどのような
住まいを考えたらよいかをお話ししていきます。
●ところであなたは、現在何人家族ですか?
1.夫婦だけの二人ですか?
2.小さいお子様のいる、ご家庭ですか?
3.それとも高校生がいるご家庭ですか?
4.お子さん、おじいちゃん、おばあちゃんのいる大家族ですか?
●将来はどうですか?想像してみてください。
1.この先も夫婦仲良く二人だけの人生ですか?
2.もう一人、お子様が増えそうですか?
ご両親と同居しますか?
3.お子様が成人して結婚したら、別に暮らしますか?
4.失礼なお話ですけど、おじいちゃん、おばあちゃんは
まだ、ご健在でしょうか?
1、2年後なら何も大事がない限り想像はつきますよね。
では、10年後ぐらい先はどうでしょう? まあなんとか、『こんな感じだろう』というのは想像がつくと思います。
20年、30年先はどうでしょう?自分が生きているのか どうかくらいが想像できる程度でしょう。
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ハウスメーカーなどは30年先、40年先などをシュミレーションしてくれたりします。
何十年先はおそらくどうなって、こうなってなどと教えてくれたりもします。
将来の想像はだいたいつくでしょうが、参考程度にしておくのが良いと思います。
その時代、その時代でのライフスタイルが変わるでしょうし、意外とその頃には、 僕の経験上、建替えている人が多いようです。
ただしお金の面はある程度、計画を持って行きたいですね。 残念ながらお金は沸いて降ってくるものではありません。
サラリーマンの生涯賃金はおおよそ決まっていますから、
その中で上手に計画していかないと、老後に大変なことになってしまいます。
退職金、年金を当てにした計画は絶対に止めましょうね。
建物はノーメンテナンスとは行きません。
必ずといっていいほど、メンテナンス費用はかかるものです。
また、それは概算で金額をはじくことが出来ます。
また、子供の学費のことや冠婚葬祭事などの出費なども大体なら、考えることができます。
いついつにどれ位お金がかかるかはある程度把握しておくと、
今後の計画に大いに役立ちます。
詳しい内容は次回の『資金計画』でお話しますね。
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ゆえに、家族構成を考えるに至って大体1、2年後の鮮明に
想像できる範囲から、10、15年後ぐらいのおぼろげながら
『こんな感じだろう』程度の範囲で考えれば良いと思います。
もし、もっと先の事まで考えた住まい作りを考えるなら、
建物本体の構造に負担をかけず、容易に間取りを変更
できる鉄骨・コンクリート系の住宅が良いと思います。
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●● 家族構成 ●●
ちょっと前置きが長くなりましたが、ひとつひとつケースで考えて見ましょう。
1.現在、夫婦のみ
自由でいいですね。好きな設計が出来そうです。 大体、奥様の意見が反映されることが多いようです。
また、将来お子さんを考えているなら、もちろん予備の部屋を考えたほうが良いですね。
それまでは収納スペースとして使えば問題ないです。
共稼ぎのパターンが多いようです。
また、お洒落に敏感な方が多いようです。
普段、忙しい奥様が家事で動きやすいように、導線は贅沢に優先して考えたらよいと思います。
敷地に余裕があるならば、明るい南側に水廻りを計画するのも個人的には好きです。
明るいキッチン、明るいお風呂、明るい洗面所。
想像するだけで気持ちがいいですね。 夏は暑いかもしれませんが、ひさしのあるバルコニーを付けたりなど工夫すれば、
今は住宅の性能も上がっていますのでそんなに気にすることはないと思います。 洗濯物干すのも楽ですよ。
趣味があるなら趣味室なんてどうでしょう?
奥様のフラワーアレンジメントのワークスペース。
ご主人様は車いじりが好きならば、1階のリビング脇には大きな窓を設けてリビングと一体のガレージの部屋。
なんだかショールームみたいですね。
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2.夫婦+子供
子供が何歳なのかで、だいぶ考え方も変わりますね。 小さければ、これからの為に子供部屋はほしいですね。
また2人いるときは、将来部屋を仕切れるように、ちょっと大き目のお部屋を 計画し、入り口のドアや収納などは2箇所最初から計画しておきましょう。 (余談ですけど、壁紙などを子供っぽい柄で選ぶと、子供が大きくなったとき、怒られます。)
年頃のお子様ですとプライバシーを気にしがちですから、その辺の配慮が必要になります。
部屋の前にバルコニーが必要かどうかお子様に聞いてから計画しても良いと思います。
自分の部屋の前で洗濯物を干されでもされた時には、なんとなく嫌なものです。
覗いてなくても『人の部屋、覗くな!』なんて声が聞こえてきそうです。
特に男の子は。
また、ロフトなど屋根裏部屋みたいな隠れ家的な空間も結構好きみたいですね。
洗面、脱衣室が一緒で設計することが、一般的には多いようです。 そのような計画ですと、お風呂での脱衣と洗面台を使いたい人がよく重なることがあります。
年頃の女の子とお父さんがバッティングしたときは特に気まずい空気が流れそうですね。
気兼ねなく、ストレスを感じなくするには、洗面室と脱衣室を分けるという手もあります。
(意外と便利です。)
夫婦の寝室の隣にお部屋を設けるときには、必ず、収納スペースを挟みましょう。 夜は静かなので、壁一枚だと隣の物音など、ちょっとの音でも聞こえるものです。
収納スペースを挟むことにより、それが吸音代わりになり、物音を消すことができます。
心理的にも安心ですしね。
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3.夫婦+子供+両親
いわゆる二世帯住宅ですね。
この場合、ご両親が旦那さんの親なのか、
それとも奥さんの親なのかで、違いがあるようです。
二世帯は正直、難しい問題がいっぱいあります。 住む人の数が多いほどいろんな意見がでます。 それをまとめるには、時間と労力が必要です。
●奥さんの親と一緒
いわゆるサザエさん家族ですね。
この場合はあのマンガ通り意外と円満に行きます。 おさかなくわえたどらねこ〜♪なんて聞こえて来そうですね。 間取りもそんなに神経質にならなくてもいいと思います。
ほっときましょう。
●ご主人様の親と一緒
この場合はいろいろ注意が必要です。おそらく同居を相談し始めたときから お互いに気兼ねが始まると思います。
生活のスタイルも違いから、トラブルにならない様、 初めからお互い『こうしたい!』と思うことすべて、挙げておきましょう。
あとは間に入ってもらって設計者の提案に任せましょう。
要は嫁姑の関係がうまくいっているか、否かなんですね。
計画パターンとしては
1.共有型・・・・キッチン、お風呂すべてを親、子世帯で一緒に使う。
2.一部共有型・・玄関、キッチン、お風呂などは共有し、リビングなどは別にして
親世帯、子世帯の普段の生活ペースを守る配置のしかた。
3.完全分離・・・親世帯と子世帯すべて別々にする。これは、お互いに干渉しない
よう全ての生活ペースを、おのおので尊重する配置しかた。 ただし、一箇所ドアで行き来できるようにします。
ご主人様の親と一緒に住む場合は、お互いの事を考えるとやはり、3の完全分離型が良いと思います。
今まで違うスタイルの生活をしていて、それを急にお互いが歩み寄り、多少でも我慢をしていく生活は、
最初うまくいっている関係も、時が経つにつれてだんだん些細なことから、
歪みに変わっていくことがしばしば起こりえるからです。
一度、壊れた関係はなかなか修復するのは困難です。
であるならば、最初からお互い意見を出しつつ、自分たちの生活領域に入り込まず、
でも、一緒に暮らす方法としては、やはり玄関も別にし、
二つの家をひとつに繋いだような、 計画が一番好ましく思います。(完全分離型)

● 間取りの注意する大きなポイント ●
1.親世帯と子世帯の生活ゾーンをずらす。(気になる生活音の解消のため)
2.将来、介護しやすいように計画する。
(例えば、廊下幅1M以上にしたり、親世帯の 主寝室の近くには必ずトイレを設けましょう。
また、お部屋の窓は最低一箇所、大きな掃き出し窓にしましょう。)
二世帯住宅にするのがマイナスイメージにならないようにメリットもお話しておきます。
■ 親世帯のメリット ■
・毎日が安心して暮らせます。
・老後の不安が減少します。
・急病やもしものときに心強いです。
・力仕事など、手伝ってもらえます。
・お孫さんと一緒にいられます。
■ 子世帯のメリット ■
・昔話やしきたり、礼儀などを学べます。
・生活の知恵を学べます。
・感受性豊かな子供に育ちます。
・家事、育児を助けてもらえます。
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まだまだ、一緒に住むメリットはたくさんあると思いますが、 高度成長期の一致団結の古き良き時代から、パソコンの普及で 情報化社会となり個々を大切にするあまりクールな時代になった今、 家族だけは一つまとまって、アットホームな家庭を心がけたいものですね。
今の世の中、二世帯住宅は健全な人間社会を築くには
意外と必要なのかも知れませんね。
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●● まとめ ●●
以上、色々なケースで考えて見ましたが、家族一人ひとりの意見を聞き
『家族構成』という『ソフト』の面を十分に検討し、
建物という『ハード』がどれだけ反映できたか?
そんな問題点がクリアでき、尚且つ設計者の感動的な提案があってこそ、
初めて『癒しの住まい』になって行くのだと思います。
また、住まいの空間というのはその人達の性格を表すといっても過言ではありません。 着るもの、食べるものも同じです。
今までの生活スタイルからガラッと変えてお洒落に少し背伸びしてみても、 何年か先にはまた元の生活スタイルに戻ってしまうことが多いようです。
簡単な例をたとえると、今まで何十年タタミの上で冬はコタツでごろ寝の生活で慣れていた人が、
憧れていたフローリング床暖房、テーブル生活に変わっても、また何年か経つとごろ寝が恋しくなり、
床の上にカーペットをしてコタツでごろ寝なんてよくありますよね。
今までの生活をヒントにすれば、最初から畳コーナー(ごろ寝コーナー)などを計画して
ごろ寝が出来る落ち着ける場を造っておく事が出来ます。
一時の感情だけじゃなく長く住むわけですから、慎重に検討し、
少しぐらいは今までのスタイルを残しながら計画を進めた方が自然かも知れません。
『落ち着く=癒される』がなければ、何の意味もありませんからね。
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次回は『資金計画』です。
お楽しみに!
Profile |
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一級建築士 川田 純一 ( junichi )
他の資格
一級建築施工管理技士
宅地建物取引主任者
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